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日本消化器病学会近畿支部 支部長 北野 雅之 和歌山県立医科大学 内科学第二講座(消化器内科) |
2025年4月より吉治仁志教授の後任として近畿支部支部長を拝命いたしました。
消化器病診療は、対象臓器が多岐にわたっており、診断には血液検査を基本として内視鏡や超音波、CT、MRI等の画像検査を多用し、治療として薬物治療のみならず内視鏡、超音波、外科手術、放射線等を用いる幅の広い領域です。したがいまして、日進月歩に発展している消化器病学に関する多様化した知識や技術を学会員が共有することは、大変重要となってきております。
近畿支部は会員数が7,000名を超え、関東支部に次ぐ規模の大きな支部となっています。近畿支部は多くの事業を行っていますが、代表的なものとして年2回の例会があります。近畿支部の例会は、日本消化器病学会総会・大会と同様にシンポジウムやワークショップなどの主題セッションも毎回複数行い、各施設が行っている最新の診療を共有するとともに、医療連携に繋がる重要な機会となっております。また、日常診療に追われて全国総会・大会への参加が難しい医師にとっても知識をアップデートする機会となっております。若手医師の登竜門として、主に初期研修医を対象としたFreshman Sessionや後期専攻医向けのYoung Investigator Sessionを毎回設けており、若手医師が消化器疾患への素養を養うことで消化器病学への関心を持ち、他施設とのコミュニケーションを取る良い機会になっています。専門医セミナーでは病理などを含む多方面の専門家による深い洞察の症例検討を行っています。また、「近畿支部キャリア支援の会」が女性医師や若手医師のキャリアをサポートするための様々な企画も行っています。例会に加えて、年3回の教育講演会、年2回の市民公開講座など多くの社会的貢献事業も開催するとともに評議員等の認定作業も行っています。
ポストコロナとなり現地での参加者数が回復してきた一方で、WEBの活用が求められてきております。また、充実した消化器病診療を提供し続けるためには、将来の消化器病診療を支える医師を育成するキャリア支援が重要視されてきております。様々な変革が必要となっておりますので、近畿支部の運営、さらなる発展には会員の先生、お一人お一人のご協力が不可欠です。近畿支部運営に対して、先生方の様々な忌憚のないご意見を伺いながら尽力して参りますので、お力添え、ご指導を賜りますようよろしくお願い申し上げます。