日本消化器病学会近畿支部 支部長 吉治 仁志 (奈良県立医科大学消化器内科学講座(消化器・代謝内科)) |
2021年 7月より伊藤義人教授の後任として近畿支部支部長を拝命致しました。
単一臓器の診療に比べて、消化器病診療は対象臓器が多くにわたっているため、ともすれば専門的知識により細分化される傾向があります。しかし、日常診療においては、消化器全体の臓器相関を考えつつ診療を行うことが必要であることから、学会員による最新の知識の交換、共有がますます重要となっています。
近畿支部は会員数が6900名を超え、関東支部に次ぐ規模の大きな支部となっています。近畿支部は多くの事業を行っていますが、代表的なものとして年2回の例会があります。近畿支部の例会は、多くの他支部例会とは異なり、通常の学会のようにシンポジウムやワークショップなどの主題セッションも毎回複数行っていますので、日常診療に追われて全国総会・大会への参加が難しい医師にとって最新の知識を得る有用な機会となっています。支部例会では、若手医師の登竜門として、主に初期研修医を対象としたFreshman sessionや後期専攻医向けのYoung Investigator sessionを毎回設けており、消化器疾患への素養を養うと共に、多施設とのコミュニケーションをとる良い機会になっています。専門医セミナーでは、病理などを含む多方面の専門家による深い洞察の症例検討を行っています。また、女性医師・若手医師キャリアアップ委員会が女性医師や若手医師のキャリアをサポートするための様々な企画を行っています。例会に加えて、年3回の教育講演会、年2回の市民公開講座など多くの社会貢献事業も開催すると共に、評議員などの認定作業も行っています。
コロナ禍の影響により、例会の開催形式など様々な変革が必要となっておりますので、近畿支部の運営、さらなる発展には会員の先生、お一人お一人のご協力が不可欠です。WEB形式を含め、例会をはじめとした支部関連事業に積極的に御参加頂き、近畿地区の消化器病診療のレベルアップにお力添えを賜りますようお願い申し上げます。支部運営に対して、先生方の様々な忌憚のないご意見を伺いながら、尽力してまいりますのでご指導の程よろしくお願い申し上げます。